児童養護施設:広がる格差と教育の重要性

児童養護施設:広がる格差と教育の重要性

~児童養護施設とは~

児童養護施設とは、保護者のいない児童や虐待されている児童など生活環境上養護が必要な児童が生活する場所であり、且つ将来自立するための援助を行うことを目的とした施設を言います。具体的には、いかにも述べるように保護者の死亡、虐待、離婚などが主な理由ですが、施設にやってくる子どもたちは様々なバックグラウンドを抱えてやってきます。

~児童の背景~

では、具体的にはどのような背景の児童がやってくるのでしょうか。

施設にやってくる子どもたちの最も多い理由は、虐待となっています。平成25年度時点で全体の約37パーセントを占めています。(表1参照) 昭和58年から比較すると総数は減少しているものの、全体における虐待が占める割合は高くなっています。

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表1 [平成29年度12月厚生労働省こども家庭局家庭福祉課「児童養護施設の年齢、在所期間、措置理由 ③児童の措置理由(養護問題発生理由)」]

件数別に詳しくみてみると、最近10年で顕著な上昇傾向にあることが分かります。平成28年度の虐待に関する相談件数は、10年前の18年度に比べて約3倍になっているのです。(図1参照) このような背景を持つ子供たちが施設に入所することを考えれば、当然心に傷を持つ児童が多くいることが予想され、経済的物理的支援だけでなく精神的なケアや支援も養護施設には必要とされているのです。

 

        

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これらの現状を踏まえて、様々な改善案や構築案が考慮されています。

その中でも里親委託の推進と施設の小舎化です。

ですが厚生労働省によると、日本の里親委託率は12%と先進国の中で最低レベルです。

出典:厚生労働省 「社会的養護の現状について(平成26年3月)」

里親制度の拡大は、子供たちが大人と愛着関係を築けることで安心感や自己肯定感を得られたり家庭生活のモデルを自分で確立しやすくするなどのメリットが期待できます。施設小舎化は、集団生活のストレス軽減と一般家庭に近い生活体験を持ちやすくします。どちらも複雑な家庭環境を背景に持つ子供たちの養育環境改善のために推進されていますが、現状としては進学率が低かったり社会にうまく馴染めなかったりする施設退所の子どもたちも少なくなく、多方面からの支援と自立に向けた教育が必要であると考えられます。